ああ、夢の印税生活!
さて、よく聞かれる話なので印税について書いておこう。
お金の話をちょっとすると、一般的に重版になるたびに、1冊あたりいくらという計算で印税がもらえることになります。
印税は発行部数*定価の8-10%が一般的とされているものの、出版社の方針とか著者との力関係でこのレートは変動します。
さらに初版については出版社のコストが大きいこともあり、印税率は上記の半分程度まで下がるのが通例です。
つまり、初版は5%、重版以降は10%みたいな感じになることが多い。
定価1500円の本なら初版75円/冊、重版以降150円/冊あたりが目安ということです。
巷で「夢の印税生活」なんて言ったりするけれど、前回記事でわかるように99.99%の本はたいして売れないので、夢のような生活とは程遠い結果に終わるのが現実だ。つまり、99%はほんとに夢でした、ということ。
初版の5,000部だけで終わってしまうと印税はせいぜい五十万円もらえれば御の字であり、原稿を作るのに3-4か月も費やす労力と比してみれば大赤字確定だ。
試しに簡単な計算をしてみればわかることであるが、初版印税75円/冊*5000冊=37.5万円。もし、初版が3000部なら(無名著者なら珍しくない数字)初版印税は75円/冊*3000冊=22.5万円。
つまり、99.99%の著者は30万円前後の印税をもらってはい、おしまいということなのだ。
もっとも、事業主が出版する場合、印税収入よりも出版しているという事実自体に重要な意味があり、広告代わりという意味合いが強い。
逆に広告代わりだと考えられないと労力にまったく見合わない結果になることは明白だ。
そしていま、書籍が持つこの広告効果に着目している事業者は多く、不況の出版界においてビジネス書ジャンルは数少ない好調なジャンルなのである。
この本の場合は、ビジネス書ではなく、健康本ジャンルになる、東京オリンピック開催を控えにわかに運動始める人が増えたり、コロナで体がなまってしまったみたいなニーズがあり、タイミングもよくてまぁまぁ活況な分野ではあった。
あなたの想像をはるかに超える広告効果
考えてみてほしいのだが、書店で本を見つけてくれた読者は、実はタダで立ち読みしておしまい、にすることもできた。
強く関心があったとしても要点だけスマホにメモしたり写真を撮っておしまい、にすることもできたのだ。
にもかかわらず、1500円を払ってまで深く知りたいという熱烈な関心が高い人だけが買ってくれたわけで、購入者はそのノウハウやビジネス・考え方などに関心が高いかなりの有望見込み客なのである。
これには続きがあって、そのなかでもさらにごくごく一部の超熱烈に関心がある人だけが著者名やサービスを検索してHPを見に来てくれる。
このあたり、詳しくは無料オンライン講座で具体的な数字を出して解説しているのでぜひ登録いただきたい。