
その時、出版企画をひらめいた(体験記1)
体験記本稿はスポーツ本、奇跡のベストセラー「 自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ 」(かんき出版)の誕生秘話です。 本を出してみたい、本を出し有名になりたい、という人に役立つかも知れない体験記です。 出版界の人脈ゼロから独力で商業出版にこぎつけ、2019-2020年のスポーツ本ベストセラーとなった「自分史上最高の柔軟性が手に入るストレッチ」(かんき出版)。 出版に至るまでの軌跡・思い出などの備忘録ですが商業出版にトライする方の参考になれば幸いです。 ただし、初めに断っておくと、あなたがよほどのネット有名人でもない限り、コネなし・出版実績なしの飛び込みで自己流の企画を提案しても採択される割合は軽く1%以下の狭き門です。 知名度ないところから商業出版に至るだけでも十分奇跡ではありますが、毎年5-6万点以上といわれる膨大な数の新刊書籍の中でさらに本書をベストセラーに仕立てあげたストーリーはまさに出版界の非常識であり、奇跡というにふさわしいのです。 ま、それでも私自身がそれを実現したわけですから無理ではありません。 というより、いびつな出版界の特性を知って正しく行動すれば、勝てる可能性は飛躍的に上がると感じています。 この本が出版に至った経緯はかなり特殊なのでそれも踏まえて当体験記を残すものです。 その瞬間、私の中で出版企画がまとまった 私は高校生でほんのちょっと器械体操部に所属していた頃から180度開脚ができたし、ストレッチにはまあ自信があった。 2018年4月、当時通っていたバレエ教室で本書の著者ということになっている村山巧氏のストレッチセミナーの存在を知る事になった。半信半疑で参加した私だったが、体験してみて、何も特別なことをするわけではないのだが、本質はPNFと筋膜リリースの組み合わせだとすぐに悟った。私の運動知識と帰納的推論能力の賜物と言える。 セミナーを受けながら、そういえばPNFを前面に出した書籍ってほぼ存在しない、筋膜リリースは高齢者向けの肩こり腰痛改善というスタンスの書籍しか見たことが無い。。。 簡単で、速効性があり、再現性も高い、、、これなら本になる!柔軟王子の名前で売り出そう!とひらめいた(当時はハンカチ王子だの青汁王子だのって色々いた)。 偶然だが村山氏とは自宅が割と近いこともあり、本を出してはどうかと持ち掛け、勝手に企画書を書くことにした。 出版企画書を作成・出版社へ送る セミナー直後、2018年5月頃から出版企画書を作成した。 とはいえ、こちらも本当に出版に漕ぎつけるのかについては半信半疑だし、教えてくれる人がいるわけでもなくネットで企画書の書き方をあれこれ調べつつも、遅々として進まず、後で考えればここで半年の無駄が生じてしまった。 出版コンサルタントと言われる職業の人がいることは知っていたが、タダってわけにもいかないし、まずは自力でということで、ネットで出版企画書の書き方なんてのを調べながら作成を始めた。 村山氏に一部を書くように依頼するも残念ながら要領を得ず、結局、私がすべて制作することとなった。 企画書は全3-5ページ程度が相場ということなので分量自体は大したことは無いが、要点を抑えることが極めて重要。企画書に入れるべき主たる項目は下記の通り。 1ページ目で惹きつけられるか(=ちゃんと目を通してもらえる) 類書が多いか(=市場があるということ) 類書と何が違うのか(=斬新な切り口) 著者の業界での知名度や実績(=販売部数が見込めるか) こういったあたりがキーポイント。出版実績無いところから出版に漕ぎ着けるにはかなり尖った、というかキラリと光る要素が必須だ。 せっかくなら東京大学の人脈をたどろうとも考えたが、出版社の知り合いなど皆無。。。 というわけでもないが、文藝春秋の記者では足しにならないので結局ゼロベースからの出発となった。 村山氏は自分の自己紹介すらまともに書けない、私とて出版に見識のある知人もない、という訳で半年近く、思いついたときに書き換える感じで、私一人だらだらと推敲を重ねてきた。 しかし、年末も近づいてきた2018年11月、このままではいけないと考え、いよいよ本気モード。勝手に走り出した。 改めて企画書の体裁を整えた。問題はこれからだが、出版社のアテがあるわけではないので、過去にストレッチとか筋トレの本を出している出版社をアマゾンと図書館で調べてリストにし、計95社の編集部宛てに企画書を勝手にA4封筒で郵送した。過去に出版実績があるジャンルの本なら高い確率で乗ってくるだろうというシンプルな思いだった。 続きを読む